NAZOのアイペイント(理念・基礎)
さて、先のページで「アイペイントは誰でも出来る」とか言いましたが、一つだけ乗り越えなくてはならない難関があります。それは!

「自分の作ったドールを、
  気に入らなかったらボツにすることが出来る、
   強い心です(笑)」

作ってみれば分かりますが、ドールってのは出来上がると、その瞳で「ボツにしないでくれ」と懇願します。・・・・・思わず沸き起こるドールへの愛情! 負けてはいけません。お蔵入りドールを増やす原因となります。ドールモデラーの難関です。この精神力が、良いドールを生むのです。
道具に気を使え!!

なんと言っても、筆が大事です。細い線が描ける面点筆を買いましょう。とにかく、これさえあれば、楽勝です。絵が下手な人でもOK。逆に、これがなかったら、よっぽど器用でないとアイペイントはできません。買いに行ったら分かります。「なんで、筆が1000円もするねん!!」ダメです。買いましょう。安いのじゃできません。塗る用は多少太くてもいいですが、描く用は高いのを買いましょう。色はここだけの話、艶消しになってくれたら、なんでもいいです。プラモから来た人は、使い慣れたラッカーでもいいでしょう。こんな事を言ったら、「お前はわかっとらん」とか言われるかもしれませんが、敢えて言いましょう。筆さえいいものを使ってたら、塗料はなんでもいいと思います。

筆

私の場合、昔は、VOLKSとかで売ってる面点筆を使ってましたが、いまは画材屋(kawachi)で買ったこの二本でほとんど事足りています。コレいいですよ。割とオススメ。

筆2

上の細いのが描き用、下のちょっと太いのは塗り用です。さすがにここまで細いと、なんべんも塗料を付けて描くことになるのですが、この二本を使いだしてから、作業効率が一気にアップしました。値段の高い筆ですが、さすがに高いだけあって、これだけ細くても、長く使って、あんまりバラけたりしません。
リキテックスとヘッドチョイス

リキテックス
リキテックスで行く人は、VOLKSのこれが定番です。別にVOLKSの回しもんではありませんが(私のページをよく見てくれている人なら、むしろ・・・なのが分かると思います。)、リキテックスってのは、使われている材料の違いから、色によって値段が変わります。少量つづセットになってるのは、これくらいなので、割とお買い得です。ただ、後述の書き方によっては、白がすぐ無くなってしまいます。そんなときはどうするのか?画材屋さんに行きましょう。リキテックスと言えば通じます。ただ、リキテックスでも、レギュラータイプとソフトタイプがあり、多分、このVOLKSのセットはソフトタイプのように思われます。キャップが黄色い方です。
リキテックス塗料
ヘッドチョイスは、別の所で書きますが、買うときに一つ注意を。まず、VOLKS製を買うとき、ミニヘッド、Aヘッド、Bヘッドを間違えないようにしましょう。急いでいるときはよく間違えるんですよ。あと、美白ヘッドってのもあって、間違えて買ってきて作ったら、「ボディと色があわんなぁ」「なんか、顔色が悪いなぁ」とかになります。とにかく、希望の髪の色が合ったからと言って迂闊に買うと、あとで酷い目に会いますので、ご注意を。見分け方もまた書きますが、店員に「これ、何ヘッド」と聞くのが早いかも。しかし、アレンジヘアの方のラインナップは、店員でさえ知らないこともあります(笑)
次に、ノアド製を買うときです。01番と1番は別物です。こりゃ、あーた、なんじゃこりゃ!!っていうくらい違うヘッドです。基本的に0が付いているモノと付いていないモノは別物のようです。「01番って可愛いなぁ」って思って1番の棚のものを買ったり、「1番って美人だなぁ」と思って01番の棚のものを買ったら、帰って開けてみたときのショック大です。ノアドで売ってるヘッドは、奥が深くて、1−10と01、0と6の違いなんて、素人目には分かりません。(ちなみに、この文章は、知ってる人はニヤリとするかもしれません。まあ、もう92K-1-10は売ってないけど。)
アイペイント

描く前に、ドールヘッドの油分を落とします。わたしゃ、偶にデカールもやるので、VOLKSの瞳きれいセットの拭き取り液を使ってますが、油分が落ちれば何でもいいので、シンナーやら洗剤やら、消しゴムでゴシゴシやるのもいいかもしれません。最近はリキテックスリムーバーでやったり。
白目から1 白目から2 さて、瞳を描くのには、どうやら大別して二つの方法があるようです。まず、白目から描く方法。白で瞳全体を決め、中に瞳孔を重ね書きして行くパターンです。フィギュア全盛時代の頃からある方法で、当時はアイペイントと言えばこれでした。私も長年やってきた方法です。長所は、最初に白目も含んだ瞳の大きさを決められることです。短所は、瞳孔の下書きが消えてしまうということです(当たり前)。また、ラッカーはまだしも、リキテックスでやるときは、ムラなしのフラットに塗らないと、重ね塗りするわけですから塗布面にデコボコになりやすくなります。また、この描き方ですと、どうしても白を使う頻度が多くなり、白の塗料の減りが早くなります。傾向としては、瞳孔が縦長になりやすくなります。というのも、描く都合上、瞳孔の入れ始めは、○を描くのではなく、( )を描くようになってしまうので、縦長になりやすいのです。これを利用して、アニメ系のキャラドールを描くのに適しているかもしれません。

枠線から 次に枠線から描くという方法があります。カスタムドール時代に自然発生して来たもので、私もいまやこっちオンリーです。まず、枠線を先に書き、白目と瞳孔を塗って行きます。長所は下書きを最大限に生かすことが出来ること。重ね塗りしないので塗布面がデコボコになりにくいことです。枠線は黒だけでなく、茶色でやったりすると、ちょっと違う雰囲気が出せます。しかし何より、下書き→素書き→白目黒目と進行していく過程で、フォローや方向修正をしながらアイペできるってが大きいですよ。短所は、枠線の太い瞳になりやすいということですが、なれたらその短所もありません。とりあえず、大きい瞳も小さい瞳も、丸瞳孔も楕円瞳孔も自在にできる感じです。先の方法より、若干難易度は高いのですが、仕上がりと白塗料節約の観点から、わたしはこっちをオススメです。

さて、ここで、新しくドールモデラーになろうとする方に注意があります。縁取り線を描くのは気力を使う細かい作業です。だからといって、「極細マジックに逃げてはいけません!」これは、誰もが一度は思ってしまうことです。しかし、実際にやってみると、素地の上に書いたら、絶対に消えなくなってしまうし、白目上に描いても、塗料を引きづってあまり綺麗に行きません。なにより、そんなに細くなりません。あなたが、いい筆を持っているなら、思ったよりも綺麗に描けるはずです。マジックには逃げないようにしましょう。

本当はここで、始めから仕上げまで載せるべきでしょうが、HPにも本にも、山ほど事例は載っているので割愛します。下手な私よりも、上手い人のをお手本にしましょう。さて、やってみると分かりますが、意外に簡単です。塗り絵とそんなに変わりません。ですが、問題はここからです。
さて、あなたが、アイペイントし、ヘアカットして、素体につけて、服を着せ、ドールを見つめたときに、3つに分かれるはずです。

1.すげぇナイスな美人になった。
2.うーーん、まあ、違和感はあるけど、まあ、いいか。
3.ゲゲ、なんじゃこりゃあぁぁ

さて、1は偉い人です。次のページを読む必要はありません。ですが、面白いので、読んでみるのもいいでしょう。3.のひとは私と同じく、凡才です。カワイイドールが欲しければ、次のページも読まなくてはなりません。2.の人。ここで、敢えて私はタブーに挑戦します! やっぱ、この2.のパターンが多い!ていうか、私も何度も、今でも経験します。微妙ですが、この先を読んでもいいかもしれません。なぜなら、次のページが、私の一番言いたいことだからです。


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