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さて、昔から、人形は顔が命と申します。そして、カスタムドールにおいては、アイペイントが、そのかなりの割合を占めます。さて、結論から申しますと、アイペイントは、バランスが全てです。バランスさえ良かったら、瞳孔にグラデーション掛けて出来あがり!といっても通ってしまいます。逆にいうと、バランスが悪かったら、どんなに中身を細かく書いても二度と見たくない代物になってしまいます。バランスとは、具体的に言うと、大きさのバランスと位置のバランスです。次の例はデカールを使っています。 |
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「小さすぎ」 デカールで良くやってしまうのですが、瞳のディテールにつられて買ってしまったが、貼ってみると小さすぎてブスになるという奴です。特にミニヘッドでやると、デブまで入ってしまうという恐ろしい事態に発展します。 |
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「大きすぎ」 こちらは、失敗といっても、まだ許せる範囲にあります。しかし、何度も見ていると不気味なものを感じてしまいますので、やはり大きすぎにも気をつけましょう。とはいえ、何かのキャラドールを作るときは、桁外れの大きな目が特徴というのを作ろうという場合があります。その場合は、大きめに描くのですが、絵の比率を使ったら、何度やっても上手くいきません。詳しくは別の機会として、瞳の大きい絵のモデルを実現するときは、抽象的ですが「現実空間に存在して違和感を感じないギリギリのレベル」まで大きくします。 |
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「寄りすぎ」 目の窪みに合わせて、デカール貼ったり、瞳描きをしたりすると、寄り過ぎになることがあります。。これを私は窪みトラップ(笑)と呼んでいます。最近思うに、あれは目を描くところではなくて、眉間を表しているのでは?とかおもいます。ヘッドにある、素地の窪みは無視しましょう!! |
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「離しすぎ」 かといって、離しすぎてもヒラメになります。ですが、ここまで開く人はあまりいないでしょう。感覚的には、さっきの窪みトラップの影響から、錯覚も食らいますので、離しすぎはダメでも、離し気味は正解!作るときは思い切って、エイヤと離すつもりで作ったほうがいいよう に思います。 |
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「上すぎ」 これも、良く見られます。私に言わせれば、ずーと前の某SRエンジェルの一つでさえ、この間違いを犯していると思います。それなりに美人になってしまうので、「これでいいや!」と納得してしまいがちですが、やはり、頬の部分が間延びすると、人間の心理が異質さを捉えてしまい、長く付き合っているうちに、あまりいい作品とは思えなくなってしまいます。 |
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「下すぎ」 かといって、下過ぎでもダメです。ですが、ここまで下に持ってくる人はいないでしょう。また、最近のマンガ絵、アニメ絵には、かなり瞳が下に行き、ほとんど頬の面積の無い絵が多いため、割と下過ぎに作っても、違和感を感じられません。キャラクターによっては、作家の絵の癖を利用して、ワザと瞳を正位置より下げて、原画の雰囲気を出す手法の一つに、下げすぎというのを使う戦法もあります。 |
つまり、適切な大きさを、正位置に描くことが出来れば、それでドールは格段に良くなります。解説の例は、極端な物ばかりですが、実際はミリ単位以下で、大小、上下、寄りすぎ、開きすぎを決める戦いとなります。 |
「下書き」 しかし、白目をそんなに簡単に決められるかよ。と思っているでしょう? その通りです。よっぽどの熟練でなければ、窪みを無視して、一発で決めることは出来ません。よって、下書きというのが重要になってきます。先のことを考えながら、下書きした後に本書きをするといいものが出来ます。 さて、ここで問題になってくるのが、「何を使って下書きをするねん!」ということです。まず、塗料では、下書きはやりにくいし、極細マジックでやると、何度も言うように絶対消えなくなります。では、鉛筆で書いたらどうか?とも思うのですが、これも意外に綺麗に消えてくれません。 ![]() では、何がいいのか? いろいろと考えた結果、私の答えは、「手芸用のチャコペン」です。これは、書いた数日後に自然消滅するというペンです。極細もあり、また、直ぐ消したいときは、専用の消しペンもあります。これなら、自在に書いたり消したり出来るうえ、素地上に残っても、数日後に勝手に消えてくれます。 って、いうか、最近思うのに、本来は生地用のものであり、カスタムヘッドにチャコペンで下書きしたら、新品の時は別ですが、ちょっとインクの出が悪くなったチャコペンなら、分単位で消えまっせ。あまりに早く消えるので、バランス調整したら、すぐ素書きに入らねば!と、焦るくらいです(笑)3年前のカスタムドールを出してきて見ましたが、年数が経つと戻るなんてこともありませんでした。他にもいろんな方法はあるでしょうが、下書き隠滅というのでは、私はこの作戦は結構好きです。 ![]() ↑消しペンでも消せるし、放っておいても消えます。 ただし、調子に乗って、あんまり書いたり消したりしていると、消し液が素地に染みて、書けなくなってきます。そういうときは、一度、ふきとり液などで、素地をきれいにしてから、もう一回やります。それでもごにょごにょ書いたり消したりしていると、今度はチャコペンのペン先に、消し液が染み込んできて、チャコペン自体が使い物にならなくなるようになってしまいます。消せるからといって、あんまりやるのはやめましょう。 最近は、消しペンで消さずに、綿棒に水を付けて拭く。という消し方をやってます。あんまりチョコチョコ修正してしまうときは、おそらく元バランスがおかしいのだろうと割り切って、全部消して、描き直すようにしてます。 |
「目線」 ![]() では、次に敢えて鉄則を破るときです。具体的に言うと「横」の目線です。女性フィギュア全盛の頃は横目線というのは一般的で、むしろ正面の目線のほうが少ないくらいでした。フィギュアはポーズが固定なので、それに合うのなら横の目線でも問題なかったのですが、ドールは様々なポーズが可能なので、そう言う意味では正面のほうがいいのです。 ですが、ここだけの話、2Dに元ネタのあるキャラクタードールを作るような場合、横の目線、つまり瞳孔を左右どちらかに寄せて作ったほうが、圧倒的に楽なのです。欲しいキャラがあったとき、いくらやっても上手くいかない場合は、横の目線で書いてみるのも一つの手段です。ただし、その場合、写真撮影する場合は、ディスプレイを工夫することになります。 |
「アイペイントで年齢を調整」 ![]() ![]() |
「アイペイントで顔の大きさを調整」 ![]() |
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