湯パーマ

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これはもう、ドールヘアセットの基礎の基礎です。熱湯を掛けてヘアに形をつけます。カスタムドールでは常識で、いろんな書籍やHPで紹介されていましたが、それも少なくなってきました。とりあえず基本なので、ご紹介しておきます。 とはいえ、まあ湯を掛けるだけです。湯パーマと言うのは、湯を掛けることだと理解してもらって結構です。効果としては

・植毛済みヘッドの、髪のベタベタを取りたい。
・きちんとストレートヘアにしたい。
・道具を駆使して複雑な髪形を作りたい。

この辺りが主なところでしょうか。ヘアセットをする加熱方法の一番の基礎なので、NAZO工房で紹介しているヘアセットをやるなら、この湯パーマをマスターする必要があります。まあ、マスターっていっても、湯を掛けるだけなので、マスターもクソもありません。注意することを強いて挙げれば

・アイペイントより先に行う。(当たり前ですが…w)
・なるべく熱湯にする。
・買ったときに付いているリング状のポリキャップを付けて湯パーマする。
・一気に掛けずに、細く長く掛ける。(コーヒーのネルドリップ感覚?)
・ストレートにするところは、熱いうちに櫛を入れて、真っ直ぐにする。

ぐらいでしょうか。掛ける量は、写真の小鍋いっぱい分を掛ければいいです。細く長く掛けるのがやりにくい場合は、理科の実験のように、割り箸とかを使って、湯を垂らして行けばいいでしょう。さて、問題はどっちかと言うと「乾かすほう」です。どれくらい乾かせばいいのか? 2000年代初頭のドールバイブルであった、VOLKSのドルフィー本には、確か、こうありました。

放置したまま、7日間かけて乾かしましょう。

そんな、アホなことあるかい! (≧▽≦)/

無論、そんなことはないです。とは言え、ドライヤーを使ってはいけません。熱で縮れてしまいます。まあ、熟練者はそれを承知でドライヤーを使ったり、逆に利用してヘアセットしたりする人もいますが、素人にはオススメできません。冷風ならいけるので、

扇風機の前に置いて、5〜6時間、乾かせば充分です。

一度、本気で7日間乾かしたことがありますが、特に何も変わりませんでした(笑) 5〜6時間待つのもイヤと言う人もいるでしょう。でも、まあ、そのぐらいはやったほうがいいです。しかし、どうしても時間が無く、複雑な髪型ではないストレートで、しかもショートヘアに切る、と言う場合に限り、扇風機に30分ほど当てるだけで、作成に入ることが出来ます。髪はまだ濡れていますが、作業をしているうちに乾いてきます。

複雑なヘアセットや、ロングヘアの場合は、5〜6時間かけて乾かせたほうが無難です。私の場合、湯パーマをしたら、扇風機に掛けた後、出かけるか、別の作業をするか、寝るようにしています。

これって、古くてグチャグチャな髪になったドールの復旧に使えないのか?

やれないことは無いですが、完成品を湯パーマするのには、勇気が必要ですw。

・目のインクが溶け出してしまわないか?
・複雑な髪型の場合、どうなってしまうのか?

懸念すべきは、この二点でしょう。まず、前者ですが、市販品は、出来てから1年以上たったものは、だいたい大丈夫です。次は、ドール作家さんのワンオフですが、Mrカラーで作ったドールは強いので、これも1年ぐらい経っていれば大丈夫でしょう。というか、嘘か真か、Mrカラーで描いた人は、描き終わった後に湯パーマするとか聞いたこともあるような。リキテックスで描いたドールは弱いとかいいますが、これも3年経ったものは、湯パしてもなんともありませんでした。描いてから一ヶ月以内のドールは、かなり危険です。デカールで作ったドールは、よほどきちんと作っていないと、破損する危険が高いでしょう。なんにせよ、いずれの場合も自己責任でやってください。私も、完成品に湯パをするのは、かなりの覚悟を要します。修復加筆できる腕があるなら、やってもいいとは思います。ちなみに私自身は慎重にやっているせいか、完成品を湯パして、欠損事故を起こしたことは、今のところありません。

複雑な髪型の完成品を湯パーマするのは、やめたほうがいいでしょう。市販品のカールへアーとかは確か130℃位でセットしてたと思うのですが、それでも全部戻ってしまう危険があります。というか、カールヘアがぐちゃくちゃになって鬱陶しいので、何回か湯パーマをして、ワザとストレートにした!ということも何回かやりました。ストレート以外の髪型の復旧には使えない思います。

とはいえ、一番ぐちゃぐちゃになりやすいウェイブヘアの場合は、そうも言ってられません。その場合は冷水を使いましょう。ウェイブを形成する束に水をかけて、一つずつ整えた後、放置して乾かすと、マシになります。

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